朝会社に着いたときに携帯を見たら、すごい量の着信履歴があった。
Bijouxであろう番号。
何か起こったのかな。
実は2日前にも電話と留守電が入っていた。でも何か気が進まず折り返さなかった。
・・・とりあえず、かけてみよう。
留守電。
あんなに電話があったのに、留守電とは意味がわからないなーと思って仕事に戻った。
しかし、それから2-3分たってすぐ電話鳴った。
「もしもし?」
『何度も電話してたんだよ。』・・・ちょっとムッとしている声。
「あ、そうだね」・・・何故か私もわざと誤らなかった。
『僕の電話気がつかなかったの?』
ちょっと怖い。
「・・・さっき気がついて電話したけど留守電だったよ。」
『・・・えっ?』
急に声が柔らかくなった。
私の留守電を聞いて電話をしてきたんじゃないんだと思ったら、ちょっと可笑しくなった。
しつこくかけてくれたんだ。
『今、携帯の電池が切れてるんだ。・・・ごめん、あとで留守電聞くから。』
『あのね、君の予定をもう一度聞こうと思った。』
「月末はイタリアよ。」
『そうだよね。今月末にイタリアに行くって言ってけど、変更とかあったかなと思って聞こうと思った。』
『実は、東京に住んでる友人が結婚するから、結婚式にでてくれって言われた。』
「・・・そっか。私は丁度イタリアに行ってて東京にはいないけど、折角だから来ればいいんじゃない?」
『そうじゃないよ。
式はハワイだよ。・・・やっぱりこれないよね。一緒に行けたらって思った。』
「いけない」
すごくそっけなく答えてしまった。
でも、それを聞いて何か嬉しかった。
思い出せば出すほど嬉しくなる。
一緒には行けないけど、気持ちだけで十分。
幸せな気分で仕事に戻った。
私って本当に単純・・・。
一緒に行きたかったな。